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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 339
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「量子効果等の物理現象」平成9年度採択研究代表者
「原子層制御量子ナノ構造のコヒーレント量子効果」

小倉 睦郎1)
1) 電子技術総合研究所 主任研究官
Abstract:  このプロジェクトの目的は、電子をナノメータスケールで閉じこめた量子細線、量子ドットにおいて、どのような物理現象が顕著になり、どのような有効性が期待できるかを明らかにすることです。メンバー構成においては、量子細線の結晶成長を軸に、その特性評価、シミュレーションなどの低次元ナノ構造の基礎物性の解明と、量子効果デバイスの開発をバランス良く発展させることを配慮しています。今までの成果としては、(1)有機金属気相成長(MOCVD)法において、3族及び5族の原料ガスを交互に供給する流量変調(FME)法を用いたAlGaAs/GaAs系量子細線において、原子層レベルで均一な領域が1ミクロン程度まで拡張し、低次元エキシトンの理解が進んだこと。(2)室温において量子細線レーザが基底レベルから発振したこと。(3)分子線エピタキシャル法(MBE)において、As2や原子状水素添加により形状制御されたInGaAs/AlInAs量子細線を作製し、負性抵抗量子細線FETを開発したことなどです。今後は、高密度量子細線を形成し、低次元ナノ構造における量子効果を顕在化させるとともに量子準位のコヒーレントな結合効果を利用した、非線型光学素子や論理演算素子の実現を目指します。

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