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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 330
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「量子効果等の物理現象」平成9年度採択研究代表者
「異方的超伝導体の量子効果と新電磁波機能発現」

井口 家成1)
1) 東京工業大学大学院理工学研究科 教授
Abstract:  本研究の目標は、異方的d波高温超伝導体の量子効果を明らかにし、これを利用する新しいデバイスの開発をすること、また高温超伝導体で観測された新しい電磁波発振の機構解明とその機能研究にある。前者においては、接合角度をミクロなレベルで制御したジョセフソン接合の作製が必要であり、ミクロレベルでの困難な技術をクリアすることにより異方性を反映するトンネル接合、ジョセフソン接合をはじめて得ることができた。今後は接合角度が異なるいくつかのジョセフソン接合を組み合わせた接合系のデバイス応用について調べていく。また高温超伝導トンネル接合への電流注入による特有なジョセフソンプラズマ発振現象について、高温超伝導ジョセフソン素子を検出器とし、放射源と検出器をオンチップ上に構成することによりTHz領域にわたる電磁波スペクトル情報をはじめて得ることができた。今後は、発振電磁波強度が増大する条件を調べていく予定である。

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