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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 301
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「量子効果等の物理現象」平成8年度採択研究代表者
「微細構造におけるスピン量子物性の開拓」

家 泰弘1)
1) 東京大学物性研究所 教授
Abstract:  本研究プロジェクトでは,人工的に作成した微細構造や表面に特有の磁性および磁性に関連した量子伝導現象の基礎物理を開拓することを目的としている。特に平成11年度に進展のあった主な点は以下の通りである。(1)空間変調磁場中の2次元電子系における電子電子ウムクラップ散乱の効果の定量的評価を行い理論と比較した。(2)MBE生長した希薄磁性半導体の膜質が低温熱処理効果によって劇的に改善されることを発見した。これを用いて強磁性発現機構を探る実験や特異な金属非金属転移に対する系統的な実験が可能となった。(3)単電子トランジスタを用いて2次元電子の局所電気化学ポテンシャルを測定する方法を開発し,量子ホール効果のエッジ状態に関する知見を得た。(4)超伝導ネットワークに微小磁性体を付加した系における超伝導転移を調べた。(5)表面自己形成を利用してナノスケールの磁性体規則配列を作製し,原子層の増加に伴う磁性の変化を調べた。これらの成果を踏まえて今後さらに研究を発展させる。

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