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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 280
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「量子効果等の物理現象」平成7年度採択研究代表者
「自己組織性分子を用いた新規発光機能材料の設計」

筒井 哲夫1)
1) 九州大学総合理工学研究院 教授
Abstract:  有機分子を電気刺激で発光させる有機エレクトロルミネッセンス(EL)に関する研究開発の進展にはめざましいものがあり、自発光型ディスプレイとしての実用化が進むとともに、新たなブレイクスルーの芽も出始めている。本研究は分子性超薄膜を用いるキャリヤ注入形ELの研究に、分子の自己組織性の概念を導入して発光特性を制御する方向で新しい展開を計ること、分子の自己組織性を利用して構築した光の波長のオーダーの超構造体を持つ分子集合系を探索し、光の放射場の量子光学的制御の研究を新たに開拓することが本研究の目標である。新規発光材料を開拓するという観点から、液晶性ガラス、金属キレート錯体、層状ペロブスカイト化合物などの探索研究を展開すると同時に、真空蒸着法を中心とする各種超薄膜作製手法の開拓、各種超薄膜材料の光物性の研究、新規材料を用いた発光デバイスの作製とそのデバイス物理の研究など多岐にわたる研究を展開してきた。平成11年度の研究成果としては、有機ELの研究に画期的なブレイクスルーをもたらす突破口を開いた三重項発光材料の研究、シリカ微小球を配列したフォトニッククリスタルの光学特性の研究の進展、シリカ微小球配列構造と色素、層状ペロブスカイト化合物などを組み合わせた新しい光学材料の調製とその光物性の研究、有機ELデバイスの動作機構の解明に関連したキャリヤ移動度や有機薄膜内の電界分布の測定などが挙げられる。

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