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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 170
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「生体防御のメカニズム」平成7年度採択研究代表者
「Fc受容体を介する生体防御システムの解析」

高井 俊行1)
1) 東北大学加齢医学研究所 教授
Abstract:  Fcレセプターγ(FcRγ)鎖欠損,Fcγレセプター(FcγR)IIB欠損,およびFcγRIII欠損マウス作成を完了し,さらにそれぞれの交配による二重欠損マウス,他の関連分子との二重欠損マウスなど,FcR関連分子群の生理機能を総合的に解析するためのセットが整い,これらミュータントを駆使して生体防御システムにおけるFcRの役割および疾患との関係の解析を推進した。さらにFcR近縁分子群としてわれわれの発見したPaired Immunoglobulin-like Receptor(PIR)分子群およびこの近縁分子gp49についても欠損マウス作成と生化学的解析を展開し,興味深い結果を得つつある。これら広い意味でのFcR関連分子ファミリーの解析によりアレルギー,自己免疫疾患,癌の制圧に向けた基礎研究の土台が構築され,今後の展開が期待される状況にある。実際に,これらのマウスを用いた新しい疾患モデルの構築が可能であることがGoodpasture症候群モデルやコラーゲン誘導関節炎モデルなどで証明された。

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