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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1303
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「資源循環·エネルギーミニマム型システム技術」平成11年度採択研究代表者
「社会的受容性獲得のための情報伝達技術の開発」

安井 至1)
1) 東京大学生産技術研究所 教授
Abstract:  理論的に如何に優れた技術であっても、社会的受容性(=パブリックアクセプタンス)の無い技術は、こと環境関連分野では、無用の長物でしかない。社会的受容性は、優れた情報伝達技術によって獲得すべき対象であるが、その技術開発的視点の研究はほとんど行われない。現時点における、市民社会の環境観は、「リスクゼロ指向」であるが、21世紀の地球環境時代は、この環境観で乗り切ることはできない。資源·エネルギーの枯渇を重大な環境問題の一つとして把握するような環境観が、市民社会で一般的になるような状態を実現する必要がある。本研究は、トレードオフ関係の記述ができるライフサイクルアセスメント(LCA)を、市民社会でも使えるような環境評価ツールに変貌させることが、このような方向に環境観を変化させる手法として必須と考え、この目的に適したLCAを開発し、その結果を様々な手法を駆使して市民への情報伝達を試み、同時に、マスコミからの情報を公開評価することにより、「社会的受容性」確立技術の開発を目指す。平成11年度は、環境負荷項目としてどのようなものを取り上げるべきかという問題を数10名の1泊2日による合宿によって議論した結果を踏まえ、省資源·省エネルギーの重要性に対して、現時点の数倍以上の重み付け指数が割り振られることを目標とし、環境観のアンケート調査による把握の試みた。さらに、市民の選択がどのような情報によって変化するかを実証的に求めるインタラクティブなシステムを提案し、そのプロトタイプを作成した。

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