| 「内分泌かく乱物質」平成11年度採択研究代表者 「内分泌かく乱物質の脳神経系機能発達への影響と毒性メカニズム」
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| | 1) (財)東京都医学研究機構、神経科学総合研究所 参事研究員 |
| Abstract: 「研究のねらい」 内分泌撹乱物質の脳神経系の機能発達への影響を、学習障害(LD)注意欠陥多動障害(ADHD)の一因である可能性を考慮しつつ、神経科学の最先端の知識·研究手法を駆使して、分子·細胞レベルで実験的研究を行い、緊急な社会的ニーズとなっているリスク評価のための簡便な機能スクリーニング系を開発するねらいをもつ。 「これまでの研究の概要、成果、今後の見通し」 (1)培養脳細胞を用いた機能スクリーニング系開発 これまでに、培養大脳皮質細胞を用いた機能神経回路形成系の開発に成功し、シナプスの形成·分子メカニズムを研究してきた。 初年度は、この実験系を用い、まず既にクレチン症·ADHDとの関係が臨床的に明らかにされている甲状腺ホルモンの機能神経回路形成に対する影響を検討し、甲状腺ホルモンが神経回路の形成とその活動の発現を促進していることをin vitroで世界で初めて発見し、この実験系の今後の有用性が明らかになった。さらに、多くの系で基礎的実験を行い、第2年度から始まる本格的な細胞レベルの研究のための基本データとした。 (2)遺伝子発現への影響を指標にした機能スクリーニング系の開発 BDNF、c-fosなど脳の機能発達に関連していると考えられている遺伝子の発現がピレスロイドなどの環境化学物質によって影響をうけることを詳細に検討し実験的に確立した。今後、DNAチップなどを用いた、このアプローチからの研究の重要性が強く示唆された。 | | | |