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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1251
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「内分泌かく乱物質」平成11年度採択研究代表者
「内分泌かく乱物質が減数分裂、相同組み換えに与える影響」

黒田 雅彦1)
1) 東京医科大学 講師
Abstract:  近年、環境ホルモンが、地球上の生命の連続性という生殖細胞を介した世代から世代への遺伝情報に影響を与えることが明らかになってきた。しかし、どのようなメカニズムで内分泌かく乱物質が生殖細胞に作用するかは未だに不明な点が多い。卵胞数や精子数の減少の原因は、減数分裂の異常といった直接的な原因の他、ホルモンの作用調節の異常によることが考えられる。我々は、RNA結合モチーフを持つ核内ホルモンレセプターの活性化因子が減数分裂期のDNAの組み換えに関与している事実をつきとめた。このことは、環境ホルモンが直接的に核内ホルモンレセプターのシグナルを通じて、減数分裂に関与する可能性を示唆するものである。本研究において我々は、環境ホルモンが相同組み換え、減数分裂に与える影響を検討し、さらにその影響の大きさ、程度をモニタリングするシステムを開発することを目指していく。

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