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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1237
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「内分泌かく乱物質」平成11年度採択研究代表者
「内分泌かく乱物質による精子形成異常に関与する癌遺伝子産物DJ-1とAMY-1」

有賀 寛芳1)
1) 北海道大学大学院薬学研究科 教授
Abstract:  新規癌遺伝子として単離、同定されたDJ-1は、ある種の内分泌かく乱物質によるラット精子形成異常とそれに伴う雄の不妊においてパラレルに減少する精子タンパク質として同定され、内分泌かく乱物質のターゲットタンパク質と考えられた。一方、c-Myc結合タンパク質として単離同定されたAMY-1はその強制発現により雄マウスの不妊を誘発し、精子形成過程で重要な機能を有するA-kinase anchorタンパク質であるAKAP84結合タンパク質であり、更に本研究室で同様に単離同定された精巣特異的に発現する複数のc-Myc結合タンパク質とともに、DJ-1同様精子形成過程に重要な機能を有することが想定されている。DJ-1は解析の結果、アンドロジェン受容体(AR)の負の因子を不活化することでARを活性化することが判明した。そこで、DJ-1,AMY-1および複数の精巣特異的に発現するc-Myc結合タンパク質の精子形成における機能と細胞癌化機構との接点を分子生物学的、発生生物学的に解析することで内分泌かく乱物質による精子形成異常と、癌を含む疾患原因を分子レベルで解析する。更に男性不妊患者中でのDJ-1, AMY-1等の挙動を検討し、臨床サイドからこれらのタンパク質の機能を研究する。

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