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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1192
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「地球変動のメカニズム」平成11年度採択研究代表者
「アジア域の広域大気汚染による大気粒子環境の変調」

中島 映至1)
1) 東京大学気候システム研究センター 教授
Abstract:  大気エアロゾルと雲を総称して大気粒子と呼ぶことにすると、本研究ではアジア域の広域大気汚染に伴う大気粒子環境の変調が作り出す気候影響について調べる。すなわち、次の2つの問題を明らかにしたい。
アジア域とその隣接海域に関して、
(X)エアロゾル場と雲場が人間起源でどの程度変調されているのか?
(Y)その影響として地表面放射収支と降雨能率がどの程度変調しているのか?
このような研究を通して、次のようなより具体的な疑問点に答えたい。
X1.人間起源エアロゾルの光学的厚さの増加は全球平均で100年間に0.04程度か?
X2.広域大気汚染によって有効粒子半径は本当に最近10年間で10%も縮んだか?
X3.エアロゾルの複素屈折率の虚数部は本当に-0.005程度で良いか?
Y1.人間起源エアロゾルの直接効果による放射強制力は全球平均で-0.5W/m2程度か?
Y2.炭素性エアロゾルは硫酸塩エアロゾルと同程度の放射強制力を持っているか?
Y3.雲場への人間起源エアロゾルの間接効果の影響は-1W/m2程度か?
Y4.異常吸収現象はアジア域で起こっているか?それは雲なのか、エアロゾルなのか?
Y5.大陸規模で考えても、対流雲の降雨能率に人間起源エアロゾル濃度は影響するか?

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