TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1185
[PDF (521K)] [引用文献


「地球変動のメカニズム」平成11年度採択研究代表者
「化学的摂動法による大気反応機構解明」

梶井 克純1)
1) 東京大学先端科学技術研究センター 助教授
Abstract:  大気環境の変動の中でも対流圏でのオゾンの増加、酸性化および温暖化ガスの増加が深刻な問題となっている。これらの現象の精密な将来予測及び対策を議論するためには詳しいメカニズムの解明が行われなければならない。それにはこれらの現象に密接に関連した、反応中間体ラジカル(HOx、NOx、ハロゲン)等の動態を把握することが重要となる。これらの中間体は大気中で2次的に生成するので、それらの生成及び消失過程のバランスで濃度場が規定されることになる。そこで、これらの化学反応を一義的に抑えるためには濃度場の測定に加えて消失過程の情報を得る必要がある。それには反応中間体の大気寿命を測定する必要がある。大気寿命の測定は(光)化学定常状態にある大気に人為的な摂動を与え過剰なラジカルをパルス的に発生させ、その化学的緩和を直接検出することにより測定する。本研究では大気反応機構の解明のために中心的役割をすると考えられる反応中間体化学種(ここでは、主にOH、NOx、ハロゲン)の濃度場の測定装置の開発と、それら反応中間体物質の大気寿命測定法の確立を行い、反応機構の解明を目指す。

[PDF (521K)] [引用文献

Copyright(c)2000 科学技術振興事業団