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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1130
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「環境低負荷型の社会システム」平成9年度採択研究代表者
「高温空気燃焼技術を用いた廃棄物·石炭高効率発電」

吉川 邦夫1)
1) 東京工業大学大学院総合理工学研究所 教授
Abstract:  本研究は、我が国で開発された高温空気燃焼技術を用いて、廃棄物や石炭などの環境負荷の高い燃料に適用可能な、高効率、低環境負荷、しかも低コストの分散型発電システム(MEETシステム)を開発することを目的とする。本発電システムでは、1000°C 以上に加熱された高温空気で固体燃料を灰溶融ガス化し、生成燃料ガス中の環境汚染物質を除去した後に、燃料ガスの一部を高温空気の加熱に使用し、残りを高温空気燃焼低NOx ボイラでの蒸気発生や、エンジン発電機あるいはガスタ-ビン発電機の駆動に利用する。これまでは、東工大に設置されたMEET-I装置(燃料処理量200kg/日)および、共同研究先の米国ミシシッピー州立大学DIAL 研究所に設置されたMEET-I装置の5倍規模のペブル床ガス化炉で、MEETシステムの主要なコンポーネントであるペブル床灰溶融ガス化炉、高温空気加熱器および高温空気燃焼ボイラの性能実証を行った。また、横浜市共同研究センターに、本研究のメインの実証装置であるMEET-II装置(燃料処理量4トン/日)が完成した。今後の予定としては、MEET-II装置で最初に石炭のガス化実験を行い、引き続いて一般廃棄物から生成したRDFのガス化実験を行い、早期に、所要性能の実証をめざす。一方、灰溶融型ではなく、バッチ式で手軽に廃棄物のガス化が行える、高温空気/水蒸気改質方式のSTAR-MEETシステムの技術実証を行うための実証装置を東工大に設置する。MEET-II装置およびSTAR-MEET実証装置ともに、実用機の規模であり、実証運転に成功すれば、廃棄物処理と省エネルギーを同時に達成できる設備として、事業所で発生する産業廃棄物の処理から早期の実用化が期待されている。

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