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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1124
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「環境低負荷型の社会システム」平成9年度採択研究代表者
「セラピューティック煉瓦造住宅の住環境効果」

松藤 泰典1)
1) 九州大学大学院人間環境学研究科 教授
Abstract:  煉瓦造住宅で構成される町並み景観は、癒しと穏やかな親和性に富んだセラピューティックな効果を有すると言われている。高耐久でLCA評価の高い煉瓦造住宅に乾式組積工法を採用して、我が国の気候風土に適した省エネ型の室内環境、耐震性及びリサイクル性に優れた煉瓦造住宅の開発を目標に、平成10年度はオーストラリア在来構法による煉瓦造住宅実験棟(第1期実験棟)を熊本県玉名郡菊水町に建設した。そしてこの実験棟及び種々の基礎実験を通じて、研究課題を着実に研究成果として結実させてきた。11年度は第1期実験棟の熱環境改善工事を行い、室内熱環境測定を通じて煉瓦造住宅が優れていることを検証した。更に乾式煉瓦造住宅に関する構造耐力等の要素技術開発を集成した“Full Brick”構法による乾式煉瓦造住宅の設計を行い、本研究が研究領域「環境低負荷型の社会システム」における「循環型住宅システム(sustainable housing system)」の概念として位置付けられるとの確信を得た。今後は構法·材料·施工Gと室内環境Gを主体に基礎実験データの収集に努めると共に、平成12年度に建設予定のDUP乾式工法による煉瓦造住宅実験棟との比較データ取得と解析により、高品質な煉瓦造住宅を安価に供給できるシステムを構築して、我が国への煉瓦造住宅の普及展開を図っていく。

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