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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 107
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「生命活動のプログラム」平成8年度採択研究代表者
「細胞周期における染色体制御に必須な高次複合体の解明」

柳田 充弘1)
1) 京都大学大学院生命科学研究科 教授
Abstract:  細胞周期M期において起こる染色体分配機構を分子レベルで理解するために、分裂酵母をモデル系として研究を推進した。正確な分配に必須な動原体タンパク質Mis6,Mis12,Cnp1、姉妹染色分体を結合するコヒージョンタンパク質Mis4アドへリン、凝縮を引き起こすコンデンシン複合体の新たな三つの必須サブユニット、さらに染色体分離を起動するAPC/サイクロソームの新規必須ユニットと同定、細胞周期における制御、リン酸化、ユビキチン化修飾の存在を明らかにした。また、Cut1/セパリン-Cut2/セキュリン複合体のM期中期後期遷移における機能と制御メカニズムを追及した。また、これらの複合体の細胞周期における作用点がG1期からM期にまでまたがっていることも明らかにした。すなわち新規の概念として、染色体分配は細胞周期を通じて広範に準備を進められていることが把握された。また、これらの必須タンパク質は酵母からヒトまで進化的に保存されている、ことも明らかにした。

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