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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 1062
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「環境低負荷型の社会システム」平成7年度採択研究代表者
「微生物機能強化による水環境修復技術の確立」

前川 孝昭1)
1) 筑波大学農林工学系 教授
Abstract:  本研究は生物圏を取り巻く水環境の中でも,特に湖沼,河川,地下水などの水域の窒素汚染問題に絞り,汚染水域の水環境修復を微生物の持つ機能の強化によって達成することを目的としている。微生物機能強化の手段として,微生物の増殖に必要とされる栄養塩,微量金属を常に微生物に供給できる栄養塩抱括固定担体および担体をリアクタ内に効率的に保持し,処理水の処理効率を向上できる磁性担体を開発した。これら担体表面に微生物が高密度に生息できる環境を作り,汚染物質の分解性が高められるかを検討した。これらのアイディアについて特許申請を国内外に出している。窒素処理に関わる脱窒工程では有効な結果を得つつあり,炭素源の分解にも有効であった。また,微生物群集の有機物分解機能を腐生連鎖の側面から検討し,栄養塩の強化や微小動物の強化が混合培養系における微生物の有機物分解機能の強化に有効であることが分かった。本プロジェクト研究は5年目を迎え,この最終年度に、これらの研究成果が水環境修復に実用性をもたらし得るかを検証する。

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