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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 676
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植物における活性酸素を介した信号伝達系の解明
柴田 大輔1), 白野 由美子1), 古矢 香織1), 菊池 尚志2)
1) (株)三井業際植物バイオ研究所
2) 農林水産省生物資源研究所
Abstract:  イネから単離されたリポキシゲナーゼ遺伝子プロモーターを含むDNA断片をレポーター遺伝子としてグルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を接続させた。このコンストラクトを土壌細菌Agrobacterium tumefaciens GV2260を介して、vacuum infiltration法によりシロイヌナズナへ遺伝子導入した。得られた形質転換植物を生育させ、次世代の植物に放射線を照射して、生成するGUSの発現をグルクロニダーゼを基質として調べた。その結果、本プロモーターは放射線に感受していることが判明した。本システムで放射線を照射に伴う活性酸素シグナルをモニターすることができると考えた。次に、シロイヌナズナへの放射線を照射に伴うシグナル伝達を解明するために、γ線を照射後のタンパク質のリン酸化を検討した。3分間照射を行い(150Gy)、直ちに4°Cで植物体を破砕し、γ-32P標識されたATPとともに試験管内でタンパク質のリン酸化反応を行った。2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりタンパク質を分離し、CBB染色でスポットの分離を確認した後、イメージアナライザーでリン酸化タンパク質のスポットを解析した。非照射の対照区と照射の実験区でスポットの違いを調べたところ、CBB染色でも判別できるスポットにひとつ違いがあることが判明した。このタンパク質のアミノ酸配列解析を継続している。

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