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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 651
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水産加工残滓の生物学分解物とその分解物の養殖魚用飼料化に関する研究
谷川 昭夫1), 斉藤 宗久2), 橘 勝康3), 八木 基明4), 柏木 大介5), 本田 正之6), 田中 躋之輔1), 馬場 重広7)
1) Nagasaki Fishing Port Fish Processing Cooperative Association
2) Nagasaki Prefactural Institute of Technology
3) Laboratory of Nutrition, Department of Fishery Food Science, Faculty of Fisheries, Nagasaki University
4) Nagasaki Municipal Fisheries Center
5) 有限会社柏木水産
6) Honda Fisheries
7) Taiyo Foods
Abstract:  ブリ
1. 血液値は、おおむね健常レベルと考えられた。
2. 体格の測定値は、対照区の魚体の体表がややスレ、尾鰭の下辺部が損傷していたが、発酵魚粉区は尾鰭の損傷が少なかった。
3. 体色は、各区に著明な違いを認めなかったが、魚体の黄色の程度(b値)はβ-カロチン、アスタキサンチン増強区が対照区、発酵魚粉区より黄色かった。
4. 抵抗力は、対照区に比較して発酵魚粉が有意に高い幼若化(分裂)を呈し、免疫能が高かった。また、アスタキサンチン、β-カロチン増強区が発酵魚粉のみより高い幼若化を呈した。
マアジ
1. 血液値では、アミラーゼの値が全区で高値を示したが、おおむね正常と考えられた。
2. 体格では、各区ともに大差なく成長し、健常な魚体であった。
3. 体色では、大きな違いは認められなかった。
4. 抵抗力では、対照区に比較して発酵魚粉区が有意に高い幼若化を示した。また、培地のみあるいはConAによる刺激で、アスタキサンチン増強区が高い幼若化を示した。
以上より、発酵魚粉の養殖飼料への使用は水産加工残滓の有効利用のみならず感染症に抵抗力のある養殖魚生産を可能にすると推察された。

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