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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 65
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生体等価培養法を用いた制ガン剤薬効評価に関する研究。
熱可逆性ハイドロゲルを用いた抗癌剤感受性試験の臨床効果予測性

窪田 倭1), 森 有一1), 月川 賢1), 松岡 博光1)
1) 聖マリアンナ医科大学 第1外科
Abstract:  我々が開発した熱可逆性ハイドロゲル(Thermo-reversible Gelation Polymer;TGP)を用いた新しい三次元抗癌剤感受性試験による大腸癌組織の抗癌剤感受性判定結果と臨床効果を対比、 効果予測性について検討した。抗癌剤感受性試験は当科で開発したTGP法で行った。判定薬剤にはADM, CDDP, MMC, 5-FUを用いた。本感受性試験を施行した大腸癌stageIV症例11例のうち、他病死、無治療の症例を除いた6例を対象とした。本感受性試験による感受性判定可能率は11例中10例(90.9%)であった。術後、抗癌剤治療した6例の内、4種の抗癌剤のいずれかに感受性を示したのが3例、何にも感受性を示さなかったのが3例であった。感受性ありの群は、PR:2例、NC:1例、であった。これに対して、感受性なし群では、NC:1例、PD:2例となり、奏功率0%であった。本感受性試験による真陽性率は2/3(66.7%)、真陰性率は3/3(100%)となった。観察期間が短いが、感受性あり群は3例とも生存、感受性なし群は2例の癌死例がみられた。本感受性試験は、治療効果予測性に優れた方法であることが確認された。

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