| | | | Abstract: アコヤガイ精液の凍結保存技術の開発にあたっては、まず浸透圧の観点から、最適希釈液の検討を始め、DMSO濃度、その平衡時間、冷却速度、予備凍結温度、最終凍結温度、融解.融解後の生残率及び受精能力について研究を進めた。その結果、10%DMSOを含む2/3人工海水中で、毎分9°Cの冷却速度で−70°Cまで冷却した後、液体窒素中に浸漬し、凍結保存後速やかに取り出し、25°Cの2/3海水中で融解する方法によって高い受精率(92.2%)が得られた。この方法で得たアコヤガイ幼生を30日間飼育した結果、生残率·成長に異常は認められなかった。さらに、35日間液体窒素中に保存した凍結精液を用いて、アコヤガイ種苗生産に初めて成功した。また、その生産量は80万貝で現在も順調に生育中であり、現場で充分応用できる技術であることが明らかになった。走査型電子顕微鏡によるアコヤガイ凍結精子の形態に関する知見も得られた。 | | | |