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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 157
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植物のアルミニウムストレス耐性機構
III. 酸性土壌アルミニウムストレス下における大麦種子根と冠根の異なった応答機構

斎藤 彰1), 正岡 淑邦2), 佐藤 和広3), Bredan Scott4)
1) 農林水産省九州農業試験場育種工学研究室
2) 農林水産省九州農業試験場生産環境部
3) 岡山大学資源生物科学研究所大麦·野生植物資源研究センター
4) Wagga Wagga Agrilcuture Research Institute
Abstract:  大麦の根を種子根と冠根に区別して、酸性土壌における各々の酸性·アルミニウムストレス応答としての発根能と伸長能を指標として、アルミニウム耐性品種と感受性品種間の応答の差を解析した。その結果、アルミニウム耐性2品種Dayton,Brindabellaと感受性2品種Kearney、Skiffの葉身発芽能はアルミニウムストレスで同様に抑制された。しかし、耐性品種の伸長能の阻害度は感受性品種に比べ小さかった。また種子根の発根能はストレスに影響されず、その伸長能は従来の報告と同様に耐性品種は感受性品種に比べ阻害度が小さかった。一方冠根について、耐性品種はストレスによりその発根能が抑制され、感受性品種では抑制されずむしろ促進されていた。また伸長能については耐性2品種は異なった応答を示し、Brindabellaでは促進され、Daytonでは抑制されていた。感受性2品種の冠根は、発根初期には促進されるが後期には抑制された。以上よりBrindabellaの冠根のアルミニウムストレス応答はDaytonとは異なるアルミニウムストレス耐性遺伝子発現が推定された。

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