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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 138
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植物のアルミニウムストレス耐性機構
I. 超微量アルミニウム測定法の開発

斎藤 彰1), 宮崎 力2), 正岡 淑邦3), 小林 紘一4)
1) 農林水産省九州農業試験場育種工学研究室
2) 科学技術振興事業団
3) 農林水産省九州農業試験場生産環境部
4) 東京大学原子力総合研究センター
Abstract:  酸性土壌に伴い土壌アルミニウムが可溶化(イオン化)し、その過剰害が深刻な農業問題となっている。しかし、実際のアルミニウムストレスや毒性の作用機構については、環境中に多量に存在するアルミニウムが精密な分析を妨げるため詳細な細胞学的、生化学的研究が発展していない。本研究では植物の葉細胞内のアルミニウムを細胞レベルで分析するために、自然界には存在しない26アルミニウムをトレサーとして用いて加速器質量分析法(AMS)による108原子レベルの超微量分析法を開発した。さらにその超微量分析により、アルミニウムストレス条件下においた好アルミニウム植物(ルジグラス)、アルミニウム耐性、感受性大麦品種の葉、葉細胞オルガネラ内のアルミニウム量を測定した。その結果アルミニウムは葉全体、また葉緑体を除いた核、ミトコンドリアでは感受性品種に比べ好アルミニウム、耐性品種に多く取り込まれていた。以上から、葉(細胞)においてアルミニウムストレス耐性機構の一つとしてアルミニウムを高度に解毒化する機構が推定できた。

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