| | | 脳活動に伴う二次信号の発生機序を解明するためには、二次信号を高精度に無侵襲計測することが不可欠である。(株)日立製作所中央研究所が開発した「光トポグラフィ」技術では、この二次信号としての酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化を光を用いて無侵襲に分離計測することが可能である。しかし、従来二次信号の発生機序を解明する上で十分な計測精度が得られなかった。そこで、これらヘモグロビン濃度変化を高精度で計測する技術を研究開発する。具体的には、従来2波長で行っていた計測の波長数を増加させる事で高精度化を図る。本研究により、二次信号としての酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化を高精度で計測する技術が確率されれば、共同研究の主な課題である二次信号の計測とその発生機序の解明についてさらに詳細な研究が可能となる。また、この技術は、ヘモグロビン計測に加えて細胞内に含まれるチトクロームaa3酸化還元状態(二次信号の一つ)の計測にも今後有効であり、より多角的な二次信号の解析に利用可能である。なお、本研究によって開発された技術は、共同研究参加機関だけでなく脳科学及び医療·福祉分野に関与する他の多くの研究機関、企業等に対しても広く供給され得るものである。 | | | |