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共同研究終了報告書「脳活動に伴う二次信号の計測とその発生機序に関する研究」
Vol. 1 (2000) p.541
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高分解能ベータカメラの開発
株式会社島津製作所医療機器事業部技術部秋田分室
  現状のポジトロンCT(PET )装置の空間分解能は、主に検出器の大きさで決定され4mmFWHM程度が限界となっている。この空間分解能は人の臨床的測定には十分であるかもしれないが、小動物を用いた動物の測定には十分といえない。動物用に高分解能のPET装置が多くのグループで開発されている。UCLAのグループは2mmのシンチレータを光ファイバーを用いてマルチアノードの光電子増倍管(PMT)に接続した構造の動物用PET装置を開発中である。またBGOシンチレータにアバランシェフォトダイオード(APD)を接続した検出器を用いたPET装置も開発されている。渡部らは金属パッケージの位置有感PMT(PSPMT)を使った動物用PET装置を開発した。しかしこれらの最新の動物用PET 装置でも空間分解能は2mmから3mmFWHMに制限されている。ポジトロン自身を直接画像化することは、空間分解能を向上させる一つの方法であると考えられる。この種の方法で最も良く用いられるのはフィルムやイメージングプレートを用いたオートラジオグラフィーである。オートラジオグラフィーの空間分解能は極めて高いが、時間変化の画像を得ることが困難である。また測定や後処理に時間がかかる問題点がある。我々はPET装置の空間分解能の限界を超える画像化装置として高分解能ベータカメラを開発した。開発したベータカメラを用いると平面画像であるが、ポジトロンの分布を高分解能で、時間変化を追いながら実時間で測定することが可能となる。放出されるポジトロンの半分が検出器に入射するので感度も高い。この論文では開発したベータカメラの動作原理、性能および初期性能に関して報告する。

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