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共同研究終了報告書「脳活動に伴う二次信号の計測とその発生機序に関する研究」
Vol. 1 (2000) p.536
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3次元画像再構成用高速プロセッサの開発
株式会社島津製作所医療機器事業部技術部秋田分室
  ポジトロンECT(PET)装置は、ポジトロン(陽電子)が消滅するときに反対方向に放出される2本の511Kevのγ線を同時計数することにより、ポジトロン放出核種の分布をイメージングする装置である。生体に投与された放射性薬剤の分布を定量的な断層画像として得ることができ、生体の生理的パラメータの測定に用いられてきた。近年このPET装置は、体軸方向の分解能を向上させるためにスライス厚が薄くなってきており、スライス当たりの感度が低下してきている。この感度低下を補うため、従来散乱線を除去するために用いられてきたスライスシールド(セプタ)を取り除き、可能な全ての同時計数を収集する3次元データ収集が注目されるようになってきた。この3次元データ収集では、検出感度が向上することによって測定時間が短縮できる、または放射性薬剤の投与量を少なくし患者の被爆を少なくできる、などのメリットがある。しかし、従来の2次元データ収集に比べ収集されるデータ量が膨大になるとともに、画像の再構成法も複雑なものになり、収集後の処理に時間がかかるデメリットがあった。今回、秋田脳血管研究センターで稼働中の島津製PET装置SET-2300W(Headtome V)のための画像再構成システムを開発し、散乱線補正を含めた3次元画像再構成を短時間で行うことが可能となった。システムの概要と再構成時間の結果について報告する。

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