| | | PETの3次元(以下3Dという)収集は、装置の感度を大幅に向上できる。しかしスライスシールドを用いないため、偶発同時計数や散乱同時計数が高くなる。また2次元(以下2Dという)収集に比べ、低い放射能濃度で計数損失が大きくなる。臨床測定においては、体軸方向の視野外からの散乱線を含めたガンマ線の入射があるので、偶発同時計数及び散乱同時計数がさらに高くなり、計数損失がより大きくなることが考えられる。体軸方向の視野外からのガンマ線の一部でも遮蔽により減少できれば、3Dの臨床データの画質を改善できる可能性がある。そこで秋田脳血管研究センターで稼働中の島津製PET装置SET-2300W(Headtome V)用に、体軸方向の視野外からのガンマ線を遮蔽する3D頭部専用前面シールドを開発した。本シールドを用いると、PET装置の患者開口直径が小さくなり、測定部位は頭部に限定されるが、体軸方向の視野外からのガンマ線の一部を遮蔽することができる。開発した前面シールドの効果を3D収集によるファントム実験で確認した。また3Dによる臨床測定でも効果を評価した。 | | | |