| 記憶課題におけるdeactivation現象の機能的磁気共鳴撮影法を用いた計測
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| | 1) 科学技術振興事業団 2) 電子技術総合研究所 超分子部 |
| 一般に、機能的磁気共鳴撮影法(fMRI)を用いた認知心理実験では、ある認知過程を含む実験条件時の方が、それを含まないコントロール条件時に比べ、BOLD信号が増加する領域をその認知過程が関与する部位とする。一方、しばしば同時に観測される、信号が減少する(deactivation)領域については言及されることは少ない。このdeactivation現象の解明の一つのアプローチとして、課題設計を様々に変えることによって、同現象が出現する条件を調べることが考えられる。今回、課題内容(記憶、運動)、認知材料(言語、図形)、刺激の感覚モダリティ(視覚、聴覚)を様々に変えた課題を行った結果、運動課題を除く全ての記憶関連課題で、大脳正中矢状断の広範な範囲で共通のdeactivationのパターンが観測されたことから、これらの領域は少なくとも記憶課題に共通する役割を演じることが示唆された。 | | | |