| II-VI族半導体ナノ結晶中の不純物イオンの発光特性
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| | | ZnS0.8Se0.2/ZnS多重量子井戸の井戸層(幅0.54nm)にドープした希土類イオンが、バリア層の光励起のもとでバルクと比べおよそ40倍もの発光量子効率を示すことを見出した。井戸層の束縛励起子·フォノン相互作用、および自由励起子·フォノン相互作用が井戸幅の減少とともに増加することを示した。ZnSナノ結晶中の遷移金属イオンのd-d遷移発光が、バンド間励起においてバルクと比べ少なくとも6倍の量子効率をもつことを確認し、また、非常に弱い温度消光を示すことを見出した。その結果は、ナノ結晶において予想される(I)電子·正孔対が空間的閉じ込め効果により熱解離しない、(II)電子·正孔対と縦型光学フォノンとの相互作用がバルクと比べ弱い、(III)電子·正孔対の大きな遷移双極子モーメントに起因する、電子·正孔対から遷移金属イオンへの大きなエネルギー移動レート、という特徴から理解できることを示した。 | | | |