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御子柴細胞制御プロジェクトシンポジウム講演要旨集
Vol. 1 (2000) p.27
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アフリカツメガエルおよびゼブラフィッシュ胚におけるカルシウム動態
武藤 彩
  細胞内カルシウムイオン濃度の一過的な上昇(カルシウムシグナル)は、細胞がさまざまな機能を果たす際に重要な役割を担うと考えられている。本研究では、実際に胚においてどのようなカルシウムシグナルが存在するのかを直接視覚化するために、カルシウムイメージングを中心とした観察を行った。その結果、アフリカツメガエル胚およびゼブラフィッシュ胚において、卵割期の時期の細胞質分裂と密接に関わる局所的なカルシウムシグナルが検出された。このカルシウムシグナルはイノシトール3燐酸(IP3)受容体の阻害剤により抑制された。また、IP3を胚に注入すると、IP3で誘導されるカルシウム濃度の上昇が局所的な細胞表層の収縮を引き起こすことを見出した。これら二つの結果は、IP3による細胞内カルシウム濃度の制御が、細胞質分裂などの細胞表層の構造変化に重要な役割を果たすことを示唆するものである。

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