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加藤たん白生態プロジェクトシンポジウム報告資料
Vol. 1 (2000) p.53
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ヒト完全長cDNAを用いた遺伝子免疫による抗体作製
伊藤 巧一1)
1) 局在解析グループ
  蛋白質の機能解析において抗体は最も強力な道具の一つである。この抗体を作製するのに、抗原蛋白質をコードしている遺伝子を有している場合には、大腸菌で発現させた組み換え蛋白質でマウス等の動物を免疫する方法がとられてきた。我々はすでに完全長cDNAクローンを有しているので、組み換え蛋白質を調製することは可能である。しかし、組み換え蛋白質の生産には、多大な時間と労力を要するし、蛋白質によっては、分解しやすかったり、精製が難しいなどで入手困難なものも多い。そこで、このプロジェクトでは、抗原蛋白質をコードする完全長cDNAを組み込んだ発現ベクターを動物に直接接種する遺伝子免疫によって、抗体作製が可能かどうかを検討することにした。遺伝子免疫には、プラスミドDNA溶液を筋肉に注射によって投与する直接注射法とプラスミドDNAをコーティングした金粒子を遺伝子銃で皮内に打ち込む遺伝子銃法の2つの方法がある。まず、両者についてモデル蛋白質を用いて予備的な検討を行った後、実際のヒト完全長cDNAクローンを用いて抗体作製を試みた。

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